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サントリー:新カテゴリー商品による市場創造をトライアル施策で強化、最適なマーケティング投資を実購買データで探究

課題トライアルユーザーの獲得
導入ソリューションインストアサンプリング
効果購買者数の増加率が40%に迫る

わたしたちカタリナマーケティングジャパンは、年間売上10兆円規模の購買データから抽出したインサイトをもとに、市況分析から戦略設計、マーケティング施策の展開、効果測定まで、一気通貫でご提供しています。

今回は、20年以上に渡るカタリナの価値提供の実績のなかから「サントリー翠SUIジンソーダ缶」新カテゴリー商品による市場創造のためのトライアル施策の実例をピックアップ。ご担当者さまへのインタビューから、その狙いを探ります。

お話しいただいた方

サントリー株式会社 RTD・LS事業部 翠ブランドマネージャー 白村雄太さま

市場創造のための「手にとってもらう」活動

翠ジンソーダ缶は2022年3月から全国での販売を開始しており、サントリーのジン「翠(SUI)」をソーダで割って楽しむというすっきり飲みやすい味わいを缶容器で実現した商品です。

販売開始からの売り上げは順調ですが、新しいカテゴリーの商品ですので、今後市場をつくりあげ、拡大していかなければならないブランドだと考えています。まずは試していただいて、味を知っていただく活動をすすめていかなければならないと考えていたため、カタリナのサンプリング施策を実施することにしました。

<インストアサンプリング>

全国6,600店を超える小売店舗において、7,800万ID以上のリテールユーザーに向けて、購買データによるターゲティングに基づいたサンプリング施策を実施するサービス。店頭で発券されたサンプリングチケットをレシートとともにお渡しし、消費者自身に商品との引き換えをおこなっていただくため、サンプリング施策につきものな梱包や発送などの諸経費もかかりません。

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4割近い獲得貢献度、1本あたり獲得の費用対効果も1/3

トライアルの目標であった獲得本数はクリアすることができました。他のトライアル施策に比べて、1本あたりの獲得コストも1/3ほどという費用対効果を出すことができています。

こちらは今回の施策のなかで設定した戦略ターゲットが、施策の期間中(4週間)にどれだけ購買を行ったかを示したグラフで、緑のバーが施策による新規購買者、グレーのバーが施策以外の影響で購入を行った新規購買者です。

今回のサンプリングにはそれほど大きな金額を投資していなかったのですが、ほかにも施策を展開しているなかでここまでの貢献がありました。そもそも、マーケティング施策の貢献度がどれほどであったかをトラッキングしづらいなかで、カタリナのサンプリング施策はこのように貢献度が明らかになる。どれほど投資すればどれほど獲得できるということがわかったうえで投資金額を決められますし、社内への説明もしやすい。素晴らしいと思います。

成果の肝は購買にひもづくターゲティングと「導線の再現性」

もともとカタリナの他のサービスは活用していました。そのときから「購買」という行動履歴に基づいたターゲティングを行えることがよいなと思っていました。今回のサンプリングも同じように、過去にアルコール商品を買ったことがあるかないか、アルコール商品のなかでもあるジャンルの商品を買ったことがあるかないかに基づいてターゲティングを行っています。そうすることでいわゆる「ポイントゲッター」のような方たちではなく、より自分たちのブランドを好きになってくれる可能性がある人たちに向けてキャンペーンを行うことができています。

また、今回のサンプリング施策の商品引換えまでのフローは

  1. お買い物時、店頭レジ横のプリンターで発券されたサンプリングのチケットを消費者が受け取る
  2. 後日、消費者自身が商品とチケットをレジで引き換える

というものです。

消費者のふだんのお買い物体験のなかに、自然にサンプリングを入れ込むことができるので、その後も「どの売場で」「どんなふうに陳列されていて」ということがわかっている状態。再購入に繋がりやすいと感じます。

TVCMとサンプリングの関係性

商品の情緒的価値をつくる施策として、TVCMはとても重要だと考えています。しかし、TVCMでイメージをつくることはできても、なかなか味を伝えるのは難しい。アンケート調査を行っても、「買いたい」と思った人が実際に買うかどうかはわからず、「買いたい」と「買った」のなかに大きな差がある世界だなとは感じるところです。

なので、重要なのはいくつかの施策で投資のバランスを取ることだと思っています。情緒的価値をつくるTVCMで土壌をつくり、そこから購入に至る、背中を押すためのサンプリング施策やオファー施策を行う。限られた投資額のなかで、ブランドのPLにとって良い結果を出すことのできる最適な投資バランスを発見したいと考えています。そういう意味では、今回のカタリナサンプリングのような施策は大事にしていかないといけないと考えています。

ともにインサイトを発見する。マーケティングパートナーとしてのカタリナ

今回のサンプリング施策は、戦略ターゲットからのトライアル獲得の観点で効果を出すことができました。今後は市場を広げていくためのトライアル施策に加え、トライアルで獲得した消費者のなかでも「どんな人ならその後も常飲してくれるか、また何回飲んでくれた人ならその後も買い続けてくれるか」という法則を発見していかなければと考えています。

そういったインサイトの深堀りをしていくうえで、カタリナはよきパートナーであると感じています。調査会社でもなく、プロモーション会社でもない。インサイトの発見から仮説の構築、そして施策の実施。さらにはその検証と次回への展開。そういったかたちで、販促をお願いする会社ではなく、マーケティングをともに進化させていくパートナーであり続けてほしいと考えています。

左:サントリー 白村雄太さま
右:カタリナマーケティングジャパン 担当 奥本