2024年、手に取られる機会の最も多かった新商品はこれだ!ベストヒットランキング2024【年間版】

2024.12.2

カタリナ消費者総研は「新商品ベストヒットランキング2024 年間版」と題し、日本のスーパー、GMS、ドラッグストアの年間売上の約6割を占めるカタリナネットワーク内小売店における年間売上約12兆円分のデータベースから、今年最も多く手に取られた新発売商品をランキング化。6つのカテゴリーでTOP5を発表いたします!

※今年最も多く手に取られた…対象商品の会計数をもとにランキング化
※新発売商品…2024年1~10月にカタリナネットワーク内で新たに確認されたJANコードから商品を特定、リニューアルなどを除いたものを新商品として定義
※キャラクターコラボやパッケージデザインプロモーションなどによる上市については対象外とし、開発によって生まれた製品を新商品として評価

2024年の消費行動を反映
注目の6カテゴリーにてランキングを発表

今回、カタリナ消費者総研では以下6つのカテゴリーを対象としランキングの策定を行いました。市場のサイズや競争の激しさに加え、近年の世相を反映して特徴的なカテゴリ、加えて独自に注目したカテゴリをラインナップに加えています。

それではさっそく、ランキングを見てみましょう!

シャンプー TOP5

近年、プレミアム価格帯(1400円〜)のラインに新商品投入が相次いで盛り上がっているシャンプーカテゴリ。1位となったのは花王から新発売のエッセンシャル プレミアムうるおいバリアシャンプー シルキー&スムース つめかえでした。ロングセラーブランドであるエッセンシャルからの発売となり、位置づけとしてはプレミアムマス(1400円以上をハイプレミアム、1400円未満をマス(プレミアムマス/リーズナブルマス)とした花王による分類)。2位にも同ラインからエッセンシャル プレミアム うるおいバリアシャンプー. グロウ&モイストつめかえがランクインしており、注目度の高さが伺えます。

3位に入ったのはファイントゥデイのプラストゥモロー スムース シャンプー つめかえ。こちらは本体の価格が1650円、つめかえが1320円といわゆるプレミアム価格帯に位置する商品で、このラインには今後もまだまだ新商品の投入が見込まれる空気を感じさせます。ベストヒットランキング編集部が注目したのはボトルのデザイン。1、2、3位と彩度が落ち着いたライトな色調で、複数色が混ざり合うようなデザインに仕上げています。プレミアムラインの一種のアイコンとなっているのかもしれません。

洗濯用洗剤 TOP5

1~3位のみならず、5位まですべてをP&Gのアリエール新商品が独占する結果となりました。また、1~3位はそのなかでもジェルボールタイプの商品がラインナップ。使い勝手の良さが支持を集める結果となっているようです。

加えて1~3位のプロシリーズにはまるで“角質ケア”のように繊維の毛羽立ちを取り除くことができる「プロパワー酵素」を新配合としており、これにより繊維の表面が滑らかになり、洗濯回数を重ねるたびに汚れやニオイが繊維に染みつきにくく、落としやすくなるとのこと。特に洗浄力が評価されるジェルボールタイプですが、さらに強力な機能を備えたことが今回のTOP3独占という結果を導いたのでしょう。

カップ麺 TOP5

カップ麺部門は日清食品が1~5位までを独占、圧倒的な強さを見せる結果となりました。またその全てでカップヌードルの新味・期間限定商品がランクイン。カップヌードルブランドへの信頼と期待が反映された結果であるといえるでしょう。

第1位になったのは夏に発売となったカップヌードルレモンシーフードヌードル。カップヌードルシリーズのなかでもイチニを争うシーフードヌードルのレモン味は、日清食品が「夏はカプヌが売れない」とCMで自称するなかに於いても人気を博した結果となりました。そのほか、2位・3位ともに通常ラインナップのカレー、チリトマトに新要素が加わった期間限定商品。ふだんの味の信頼感に新要素を加えて、安心して選べる新味として仕上げたことが支持を集めたと考えられます。

スナック菓子 TOP5

1、2、3位をカルビーのポテトチップスが独占です。1、2位ともに「クリスプ」シリーズのうましお味、旨味コンソメ味がランクイン。クリスプシリーズはもともと筒型包装の成形ポテトチップスとして2016年から発売されていましたが、筒から袋への包装変更に伴って、筒型包装では筒に入れるためにチップスを整列する必要がありましたが、袋形態ではその整列が不要となったことから、味付け方法を改良。味のムラを少なくし、後味まで旨味を感じられるようになったとしてます。加えて筒型→袋型への変更によって包材も重量換算では減らすことができたとのこと。昨今の資材高騰環境下における資材調達の面から見ても合理的な改良が叶った商品といえるでしょう。

冷凍食品 TOP5

毎年多くの新商品が展開される冷凍食品。最近は野菜など生鮮市場の値動きの影響を受けづらいとして、冷凍野菜の支持も高まっています。そんな状況下でTOPになったのはニチレイのW(ダブル)キムチ炒飯 420g。Wといっても米飯の量が2倍ということではなく、使用されているキムチが「炒め&追い」キムチということでWの名が冠されています。とはいえ量もしっかり420gです。

2位はニップンのオーマイBig <ボンゴレビアンコ>340g。ニップンの「オーマイ」シリーズのなかでもBigを冠したラインナップは最も量のあるもので380gと、その食べごたえもウリのひとつです。3位のキンレイお水がいらない 天下一品433gもガッツリ食べたい需要にマッチするような商品で、冷凍商品カテゴリ全体として物価高を反映したような商品がラインナップされるかと思いきや、ご覧のような商品群が支持を集めやすいカテゴリーであるという結果となりました。

ノンアルコール飲料 TOP5

5位までの間に「アサヒスタイルバランス」シリーズの商品が4つ入る結果となったノンアルコール飲料カテゴリ。これまでも発売されていた商品が新たに機能を備え機能性表示食品として新発売されています。このシリーズ、3位に入っているサッポロ 濃い搾りレモンサワー ノンアルコールが飲用感として「アルコール飲料をのんだような感じ」を再現しようとしているのに対して、まるで清涼飲料水を飲んだかのような印象を受け、そもそもの開発志向が大きく違うことを感じさせます。

アサヒビールは近年のブランドメッセージとして「スマドリ」(飲む人も飲まない人も、自分の体質や気分、シーンに合わせて、適切なドリンクをスマートに楽しめる、飲み方の多様性のこと:アサヒビールホームページより引用)を謳っており、そもそもアルコール飲料を飲めない/飲みたくない人までをもターゲットとして捉えた開発意図が見え隠れしているように感じられます。